中長期集中型投資スタイルは、主に「スイングトレード」と「中長期トレード」の2つに分類されます。最初にそれらの特徴・注意点を解説します。
スイングトレードとは
スイングトレードは、数日間~数週間という期間に売り買いを行う、短期のトレード方法です。
スイングトレードの特徴
- ・デイトレードと違い、日々のチェックが楽
- ・小さな価格変動が気にならない
- ・頻繁に売り買いを行わない為、資金管理しやすい
- ・スワップポイントの利益が狙える
スイングトレードの注意点
- ・資金が拘束される
- ・ポジションを持っている間、ストレスがある
中長期トレードとは
中長期トレードは、スイングトレード(数日~数週間)よりも長い、数週間~数ヵ月の期間に売買を行うトレード方法です。
中長期トレードの特徴
- ・スワップポイントでの利益が狙える
- ・時間の拘束があまりない
中長期トレードの注意点
- ・予測が難しい
- ・短期に比べて利益を出しにくい
- ・ある程度まとまった資金が必要
中長期集中型投資スタイルは下準備をしっかりすれば怖くない!
中長期の投資スタイルは初心者には難しそうに感じますが、しっかりと下準備さえ行っておけば、デイとレートやスキャルピングなどの短期取引よりも難しくありません。ここでは中長期投資を行うための下準備として必要な事をご紹介します。
①ポジションを持つ通貨ペアの選択
まず始めにポジションを持つ通貨ペアを選びましょう。
中長期型投資ではその名の通り、中長期間ポジションを持つためスワップポイントの高い通貨ペアを選べば、多くのワップポイントを受け取る事ができるため、大変魅力的です。
スワップポイントが狙えるのは、中長期集中型投資スタイルの一番のメリットでもあるため、どこの通貨ペアを保有するか最初の段階でしっかりと決めておきましょう。
②目標と期間設定
目標はざっくり「いくらまで上がったら売る」「いくらまで下がったら売る」という形で大丈夫です。
中長期のチャートは動き自体を読むことは難しい為、上がっている場合は上方修正を行う事は問題ありませんが、下がった場合の「損切り」ポイントは必ず守り、損失が出た場合もそれ以上大きくならないようにすることが大切です。
また、期間に関しては長く保有すればするほど「スワップポイント」を受け取る事が可能なため、どれぐらい保有すればいくらのスワップポイントを受け取る事が可能か、ある程度計算したうえで決めるといいでしょう。
③レバレッジ設定
中長期のFXでレバレッジを高く設定しすぎるのはかなりリスクが大きくなるため、資金に余裕をもって低めに設定しましょう。
④日々のチェックについて決めておく
中長期の投資スタイルではスキャルピングやデイトレードの様に、1日に何度もチャートをチェックして売買をする必要はありませんが、必要最低限の日々のチェックは行う様にしましょう。
為替レートは常に変動しており、いつ何時大きな動きがあるか分からない為、完全にほったらかしにしておくことはかなり危険です。知らない間にロスカットされている場合もありえるため、一日に以下のチェックぐらいは最低限するようにしましょう。
〇ポジションを持っている通貨ペアの為替チャートのチェック
チェックポイント:急激な値動きは発生していないか、自分の設定した目標から大きく外れていないか等
〇通貨ペアを取り扱っている国の政治・経済のチェック
スワップポイントの高い国の場合、必ずしも国の政治や経済が安定している訳では無いため、その国の政治や経済状況についても、出来る限りチェックしましょう。
経済状況が急に悪くなったり、政治の介入があったりするだけで、為替レートは大きく変動する可能性があります。
上記の下準備を必要最低限行ったうえで中長期投資をスタートさせながら、実際に運用しながら勉強を続ける事が重要です。
中長期集中型投資スタイルの狙いと人気通貨ペア
中長期の投資スタイルでは通貨ペアの売買での為替差益以外に、スワップポイントで利益を狙う事が可能なため、ぜひ積極的にスワップ金利が高い通貨ペアのポジションを持ちましょう。
現在スワップポイントが高めで、中長期投資スタイルで人気のある通貨ペアは以下になります。(2017年6月時点)
- ・トルコリラ 8%
- ・南アフリカランド 7%
- ・中国人民元 4.35%
- ・NZドル 1.75%
スワップポイントが高くても、スプレッド(手数料)がその分高くつく通貨ペアもあるため、決めるのは各FX会社の内容をしっかりと比較したうえで決めてください。
短期取引から中長期取引に変える際の注意点
短期取引で上手く結果が出ないから一度中長期取引に変えてみようと思い、中長期取引に切り替える人が多くいらっしゃいますが、実はこういった時は「レバレッジのかけすぎ」に注意が必要です。
為替変動は日で見ると1円以内等の「幅の狭い動き」になりますが、1週間~1ヵ月~1年単位でみると1円どころの値動きではなく、大きければ10円以上の値動きがあります。
短期取引では値動きの幅が狭い為、損失が出たとしてもそれほど大きく膨らむことは無いですが、中長期取引では値動きの幅が広い為、気づけば大きな損失になっている事も多くあります。
そんな短期と中期の取引ですが、短期で運用していた人の多くは少ない資金にある程度の「レバレッジ」をかけて運用している人がほとんどです。短期で利益を上げるために「レバレッジ」をある程度かける事は必要ですが、それを中長期でも同様にかけてしまうと、直ぐに「証拠金」がロスカットラインを割ってしまい、強制決済されてしまいます。
そうならない為にも、短期から中長期に変更する際は短期と同じ感覚でレバレッジをかけて運用するのではなく、ある程度の資金を追加して無理なく続けられそうな「レバレッジ」に変更する事が大変重要です。